主なポイント:
- ゴールドマン・サックスは世界サーバー市場の2028年までの予想を1.1兆ドルに引き上げ
- AIサーバーラックの売上高は5614億ドル、全体の51%に達する見通し
- 米国ハイパースケーラーの2026~2028年累計設備投資額は1.145兆ドルに
主なポイント:

ゴールドマン・サックスは現在、世界のサーバー市場が2028年までに1.1兆ドルに達し、AIサーバーラックが全売上高の半数以上を占めると予想している。
ゴールドマン・サックスは、世界サーバー市場の売上高予想を2028年までに1.1兆ドルに引き上げた。AIサーバーラックの売上高は5614億ドル(全体の51%)に達する見通しで、ハイパースケーラー各社がインフラ支出を加速させていることが背景にある。
「メモリコストの高止まりとAIワークロードの relentless な拡大が、今回のアップグレードサイクルを牽引している」と、ゴールドマン・サックスのアナリスト、アレン・チャン氏は6月24日付のリポートで述べた。
同行は現在、米国のハイパースケーラー(マイクロソフト、アマゾン、メタ、グーグル、オラクル)が2026年から2028年にかけて累計1.145兆ドルを設備投資に充てると予想しており、年間成長率はそれぞれ76%、35%、8%となる見込み。バイトダンス、アリババ、テンセント、バイドゥを中心とする中国のクラウドプラットフォームは、2026年だけで80%の支出増加が見込まれている。
この上方修正は、AIインフラ投資サイクルが多くの投資家の想定よりも長期化する可能性を示唆しており、サプライチェーン全体の半導体メーカー、サーバー組立メーカー、メモリサプライヤーに影響を及ぼす。
AIサーバーラックが上方修正を牽引
ゴールドマン・サックスは、AIサーバーラック(NVL72相当)の出荷台数予想を2026年に5万5000台、2027年に10万5000台、2028年に16万3000台に引き上げた。2027年と2028年の数値は、従来予想をそれぞれ16%、20%上回る。エヌビディアのNVL72ラックが圧倒的シェアを占めると見られ、2027年と2028年の出荷台数はそれぞれ9万2000台、14万8000台となる見通し。AMDのラック出荷台数は同期間で5000台、1万3000台、1万5000台と予想されている。
仕様の高度化に伴いラック1台あたりのドル価値も上昇しており、AIサーバーラックの総アドレス可能市場(TAM)は2028年までに5614億ドルに達し、2025年からの年平均成長率(CAGR)は118%となる見込み。
鴻海精密工業とその子会社FII(フォックスコン・インダストリアル・インターネット)は、ODMサプライチェーンにおいて最大の受益者となる位置にある。ゴールドマン・サックスは、両社の世界市場シェアが2026年の55%から2028年には69%に上昇すると予想している。
ASICがGPUを凌駕
カスタムASICチップは、クラウドプロバイダーがメモリコスト削減と推論効率の向上を目指す中、AIチップ市場でシェアを拡大している。ゴールドマン・サックスは、ASICのシェア予想を2028年までに全AIチップ需要の55%に引き上げた。従来予想は50%だった。
AIチップの総需要は2026年に1890万個、2028年には3220万個に達すると見込まれている。GPU需要は同期間で950万個から1460万個に増加する一方、ASIC需要は930万個から1770万個に急増する見通し。
このシフトは、GPU市場を支配するエヌビディアと、ブロードコムやマーベル・テクノロジーといったハイパースケーラーと協業するASIC設計企業との間の競争バランスに影響を及ぼす。エヌビディアのデータセンター売上高はAIブームで急増しているが、ASICの台頭により、チップ支出全体に占める同社のシェアは徐々に侵食される可能性がある。
投資家にとって、このリポートは少なくとも2028年までのAIインフラサプライチェーンに対する強気見通しを裏付けるものとなる。鴻海、ブロードコム、そしてSKハイニックスやマイクロン・テクノロジーなどのメモリサプライヤーは、ハイパースケーラーの持続的な支出拡大の恩恵を受ける立場にある。エヌビディアの株価は予想株価収益率(PER)が約35倍で取引されており、ASIC普及による長期的なリスクに直面しているものの、予測期間を通じてGPUサプライヤーとしての支配的地位を維持する見通しだ。重要なのは、市場が設備投資の規模を完全に織り込んでいるかどうかという点である。ゴールドマン・サックスの米国クラウドプロバイダーの設備投資予想は、2026年、2027年、2028年に対してそれぞれ8%、27%、25%上方修正されており、さらなる上振れ余地があることを示唆している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。