主なポイント:
- ケビン・ウォーシュ氏が7月7日にFRB議長に就任、暗号資産規制への楽観的な見方からXRPが思惑で上昇
- 市場は9月の利上げ確率を65%と織り込み、12月までに1〜3回の利上げが有力
- 暗号資産に前向きとみられるウォーシュ氏の姿勢は、SECの執行重視アプローチとは対照的
主なポイント:

ケビン・ウォーシュ氏のFRB議長就任により、暗号資産に友好的な規制当局が米国のデジタル資産政策を再編するとの観測が広がっている。
ウォーシュ氏は7月7日にFRBの舵取りを開始。市場は9月の利上げ確率を65%と織り込み、暗号資産に友好的な規制への期待からXRPへの思惑が高まっている。
「これらの一連の事項に関しては、多くの最新情報があり、我々は会議室に入り扉を閉めれば、闊達な議論を行うことになる」とウォーシュ氏は水曜日、ポルトガルのシントラで開催された欧州中央銀行(ECB)の年次政策フォーラムで語り、7月会合を前にした政策についての示唆は控えた。
FRB議長は「物価が高すぎることを我々は認識している」と指摘し、中央銀行のインフレ重視姿勢を改めて強調した。6月の民間部門雇用者数は9万8000人増と、コンセンサス予想の11万人増を下回った。なお、政府の月例雇用統計は木曜日に発表予定。10年物米国債利回りは約6ベーシスポイント上昇し4.481%に、2年物利回りは4ベーシスポイント上昇して4.176%となった。
XRPと暗号資産市場にとっての焦点は二重である。すなわち、暗号資産に友好的と見なされるFRB議長はより明確なデジタル資産ルールを示す可能性がある一方、金利上昇は流動性を引き締めリスク選好意欲を低下させる。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は7月29〜30日に開催され、ウォーシュ氏の政策方向性の最初の試金石となる。
ウォーシュ氏の就任は、コミュニケーションスタイルにおいてパウエル時代からの転換点を示す。議長として初めての会合では、フォワードガイダンスから距離を置き、FRBの今後の動きを読みにくくした。6月のFOMC声明は「委員会は物価安定を実現する」との一文で締めくくられ、デュアルマンデートの雇用面よりもインフレ目標を強調した。
ECBと日本銀行(BOJ)は6月にそれぞれ利上げを実施し、世界的な金融引き締めの背景を強めている。ECBの利上げと、より低いスタート水準からのBOJの利上げは、根強いインフレに直面する先進国中央銀行の方向性を裏付けている。
XRPの思惑は、ウォーシュ氏の特定の政策提案ではなく、暗号資産に対する同氏の開放的な姿勢に基づいている。リップル・ラボ社がXRPを有価証券とするかどうかを巡りSECと長期化する法的闘争を繰り広げていることから、XRPは歴史的に米国の規制動向に敏感に反応してきた。中央銀行が直接的にデジタル資産市場を監督していなくても、暗号資産に同情的とみられるFRB議長は、より広範な規制環境に影響を与える可能性がある。
労働市場も変数を加えている。3月以降の雇用統計は予想を上回る強い内容だったため、FRBが利上げに踏み切りやすい環境にあった。6月の数字は弱く、雇用の伸びは娯楽・ホスピタリティ部門の減少が一部要因となった。労働市場がさらに弱体化すれば、FRBは利上げに慎重になるとみられ、暗号資産を含むリスク資産を支援する可能性がある。
12月までに金利が現在の水準に据え置かれる確率は5分の1にとどまり、0.25ポイントの利上げが1回から3回の間で実施される可能性がいずれも有力なシナリオだと、CMEのフェドウォッチ・ツールは示している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。