上院議員時代からビットコイン保有額が2倍以上に増加したバンス副大統領。暗号資産推進政策に新たな批判の目が向けられている。
上院議員時代からビットコイン保有額が2倍以上に増加したバンス副大統領。暗号資産推進政策に新たな批判の目が向けられている。

上院議員時代からビットコイン保有額が2倍以上に増加したバンス副大統領。暗号資産推進政策に新たな批判の目が向けられている。
バンス副大統領は2025年の公的財務開示書類で、Coinbaseに25万1ドル~50万ドルのビットコインを保有していると申告。これは前回報告から2倍超の増加に相当し、政権の暗号資産推進アジェンダへの監視を一段と強める結果となった。
「開示範囲は意図的に幅を持たせてあり、正確な数字ではなく大まかな目安を示すものに過ぎない」と、政府倫理局(OGE)が公表した書類には記されている。バンス氏は5月28日にラスベガスで開催された「Bitcoin 2025」カンファレンスで、自ら「かなりの額のビットコイン」を保有していると参加者に語った。
2023年10月に提出された2022年分の開示書類では、ビットコインの保有額は10万1ドル~25万ドルとされていた。最新の書類では、その報告レンジがほぼ2倍に拡大している。この増加が新規購入によるものか、価格上昇によるものかは明記されていない。バンス氏の暗号資産はすべてCoinbase上にあり、他の取引所やウォレット、代替トークンの記載は一切ない。
今回の開示は、無視できない緊張を生み出している。すなわち、副大統領がある資産に多額の財務的利害を有しながら、その資産の価値を押し上げ得る政策を推進しているという構図だ。バンス氏はラスベガスのカンファレンスでビットコインを「重要な国家資産」と位置づけ、市場構造に関する立法を呼びかけ、暗号資産業界に対する過度の規制とみなす姿勢を批判した。トランプ政権はデジタル資産に有利な大統領令を発出し、業界に同情的な規制当局者を任命。前任政権のアプローチから大きく転換している。
2億8800万ドルのロビー活動という背景
今回の開示は、暗号資産業界が2026年の選挙サイクルに過去最高額の資金を投入しているさなかになされた。バーニー・サンダース上院議員は月曜日、暗号資産関連の政治支出2億8800万ドルを「合法化された賄賂」と非難。連邦選挙委員会(FEC)の記録によれば、暗号資産に特化したスーパーPAC「Fairshake」は5月31日時点で7400万ドルを拠出している。暗号資産に連携する別のPAC「Protect Progress」は1900万ドル超を支出している。
こうした広範な状況が、バンス氏の個人保有をめぐる見方を一層際立たせている。政権高官が特定の資産クラスに財務的利害を持ち、同時にそれに影響を及ぼす政策を形成する場合、利益相反の問題は自ずと浮上する、と倫理専門家は指摘する。公的財務開示制度はまさに、国民が職員の利害関係を把握できるようにするために存在する。
今後の展開
バンス氏は現職副大統領として初めてビットコイン会議に参加した人物であり、同氏の発言は政権が暗号資産業界の優先事項に深く連携していることを示している。今回の開示によって資産売却が義務付けられるわけではないが、政権の暗号資産に友好的な姿勢が純粋に理念に基づくものではないと批判する側に材料を提供することになる。
政府倫理局は通常手続きの一環として、今回の書類を審査する。正式な調査が発表されたわけではない。暗号資産業界は今回の開示に対する公式な回答をまだ出していない。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。