主なポイント:
- 米国の6月非農業部門雇用者数はコンセンサスを下回り、11万人という予想を下回った
- マイクロンとサンディスクは、朝方の下落から反転し、発表後にそれぞれ約3%上昇
- 弱いデータは、FRBが早ければ9月にも利下げに踏み切るとの見方を強めている
主なポイント:

米国の雇用者数は6月に予想を下回る伸びにとどまった。この予想外の結果を受け、トレーダーらが年内のFRB利下げへの賭けを強めたことで、半導体株は時間外取引で急上昇した。
米労働省が木曜日に発表したデータによると、6月の非農業部門雇用者数の増加はコンセンサス予想の11万人を下回り、失業率は4.3%で4カ月連続の横ばいとなった。前月の増加幅は17万2000人だった。
「労働市場は、FRBが景気後退懸念を引き起こすことなく金融緩和に動く余地を与える形で冷え込みつつある。今回の雇用統計の下振れは、9月利下げへの最後の障壁を取り除いた」とエッジンのマクロストラテジスト、ジェームズ・オカフォー氏は指摘した。
このデータを受け、半導体株は急反転した。マイクロン・テクノロジーとサンディスクは、時間外取引でそれぞれ約3%上昇。取引開始前には4%以上下落していた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)先物もプラス圏に転じ、金利敏感なテクノロジー銘柄への幅広い資金シフトが反映された。
平均時給は前年同月比3.5%上昇と、5月の3.4%から上昇した。雇用ペースの鈍化にもかかわらず、賃金圧力は抑制されたままであることを示唆している。3カ月平均の雇用増加数は現在約15万人で、5月までの18万8000人から減少し、3月の21万4000人を大きく下回っている。
6月の報告書は、水曜日に発表されたADPデータに続くもので、民間部門の雇用者数は9万8000人増加し、エコノミスト予想の11万9000人を下回った。両方のデータセットを総合すると、労働市場は急激に悪化するのではなく、徐々に軟化しているという状況が浮かび上がる。雇用意欲が弱まっている中でも、解雇は歴史的に低い水準に抑えられている「雇用なし、解雇なし」のダイナミクスが続いている。
中小企業調査では雇用計画の減少が示され、コンファレンス・ボードの「仕事を得るのは難しい」と考える消費者の割合は、6月に約5年半ぶりの高水準に上昇した。これらの指標は、公式データに下振れリスクがあることを事前に示唆していた。
雇用統計の予想下振れにより、焦点はFRBの9月の政策会合に完全に移った。翌日物スワップ市場では、同会合での利下げ確率が上昇し、トレーダーは現在の3.50%から3.75%の目標レンジから0.25%の利下げが実施される確率を約60%と見込んでいる。FRBは6月会合で金利を据え置いたものの、更新された予測を通じて、必要に応じて追加引き締めを行う用意があるとの姿勢を示唆していた。
テクノロジー株や半導体株にとって、その影響は直接的だ。金利の低下は将来の収益に適用されるディスカウントレートを引き下げ、成長依存企業の現在価値を押し上げる。マイクロンとサンディスクは、メモリーチップ価格を巡る懸念から最近の取引で急落していたが、金利予想の再評価の恩恵を受けた。
今後の焦点は、金曜日に発表される消費者物価指数(CPI)が、労働市場のシグナルを強化するか、あるいは矛盾するかだ。インフレデータも予想を下回れば、9月利下げの根拠はさらに強固になる。一方、物価が高止まりすれば、FRBは雇用統計が弱含んでも様子見姿勢を続ける可能性があり、金利敏感株は相反するシグナルに挟まれることになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。