主なポイント:
- UBSは木曜日、2026〜2027年の原油価格見通しを下方修正
- ホルムズ海峡の海上輸送量は紛争前の約50%まで回復
- 米国の封鎖緩和に伴い、イランの原油輸出が勢いを取り戻す
主なポイント:

UBSは、ホルムズ海峡の再開とイランの輸出再開が原油市場における供給主導の価格修正を示唆したとして、今年と来年の原油価格見通しを引き下げた。
UBSは木曜日、2026年と2027年の原油価格予想を下方修正した。同銀行のノートによれば、ホルムズ海峡の海上輸送量は紛争前の約50%まで回復し、米国の封鎖緩和に伴いイランの原油輸出も勢いを取り戻している。
「ホルムズ海峡の通過量の回復とイランの輸出再開は、供給見通しにおける重要な変化を示しており、我々の従来の予想には十分に織り込まれていなかった」とUBSのアナリストチームは記している。ただし同行は具体的な新たな価格目標や下方修正の規模については明らかにしなかった。
ブレント原油は1バレル72ドルに低下し、トレーダーらは供給フローの改善が地政学リスクに及ぼす影響を考慮している。UAEの原油輸出は6月に30%増加し、日量390万バレルと戦前の高水準に迫った。同国はパイプラインとタンカールートを活用し、ホルムズ海峡を迂回したと、 shippingデータが示している。この回復は、6月下旬に起きた劇的な崩壊の後に訪れた。6月29日にはホルムズ海峡の通過船舶が、同週初めの70隻からわずか4隻にまで減少した。これは、イラン革命防衛隊(IRGC)による米軍基地4か所への攻撃が、覚書締結後の輸送回復を反転させたためである。
供給サイドの価格修正は広範な影響を及ぼす。原油コストの低下は、輸入国におけるインフレ圧力を緩和する可能性がある。特にインドでは、ルピーと消費者物価が原油価格の変動に敏感である。一方で、すでに生産抑制を進めるOPEC諸国の歳入は圧迫される。UBSのような大手銀行による見通し修正は、輸送回復が加速すれば、さらなるセルサイドの格下げを引き起こし、ブレント原油を湾岸諸国の多くが財政均衡の基準とする70ドルの節目を下回らせる可能性がある。
供給回復 vs. 地政学リスク
トレーダーにとっての根本的な問いは、ホルムズ海峡の回復が持続可能かどうかである。通過量は紛争前の半分まで回復したものの、同航路は依然としてさらなる混乱のリスクにさらされている。6月29日の崩壊は、IRGCによる米軍基地への攻撃によって輸送が瞬時に麻痺することを示した。業界筋によれば、商業輸送の完全回復に向けた取り組みは引き続き大きな障害に直面している。
米国の封鎖によって抑制されていたイランの原油輸出は、現在勢いを取り戻しつつある。イランの供給再開とホルムズ海峡の輸送回復の組み合わせにより、市場には日量100万〜200万バレルの潜在的な供給が追加されることになる。国際エネルギー機関(IEA)は、2026年下半期まで市場はタイトなバランスを維持すると予測していた。
今後の展望
原油価格の方向性は現在、ホルムズ海峡の回復ペースと、ドーハでの米イラン外交協議の行方という2つの変数にかかっている。一部のトレーダーによれば、輸送が完全に正常化し、イランの輸出が制裁前の水準に戻れば、ブレント原油は60ドル前半を試す可能性がある。逆に、ホルムズ海峡で新たな緊張が高まれば、供給の増加はほぼ一夜にして失われ、2026年半ばまで価格を押し上げていたリスクプレミアムが再導入されることになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。