主なポイント:
- SpaceXAIは2026年7月9日にGrok 4.5を一般公開
- マスク氏は1.5兆パラメータのモデルが低コストでClaude Opusに匹敵すると主張
- 性能主張を検証する独立したベンチマークは未発表
主なポイント:

SpaceXAIは7月9日にGrok 4.5を公開、マスク氏は1.5兆パラメータのモデルが低コストでClaude Opusに匹敵する性能を実現したと主張。
SpaceXAIは水曜日にGrok 4.5を一般公開する。イーロン・マスク氏は、1.5兆パラメータを擁するこのモデルが、推論コストとレイテンシーを削減しながら、AnthropicのClaude Opusに匹敵する性能を実現したと主張している。
「Grok 4.5はOpus級のモデルだが、より高速で、トークン効率が高く、運用コストも低い」とマスク氏はXへの投稿で述べた。このモデルは数週間にわたり、SpaceXおよびTeslaで非公開ベータ版としてテストされてきた。
約1.5兆パラメータを備えた新たなV9基盤モデル上に構築されたGrok 4.5は、SpaceXAIがこれまでにリリースした中で最大のモデルとなる。The Informationによれば、社内では同モデルがClaude Opus 4.8やOpenAIのGPT-5.5と比較されている。今回のGrok 4.5は、SpaceXが600億ドルで買収を進めるAIコーディングスタートアップCursorと共同で構築した初のSpaceXAIモデルである。
今回のリリースにより、フロンティアラボ間の競争はさらに激化する。同じ週には3つの大手モデル発表が集中しており、Google DeepMindは7月17日に200万トークンのコンテキストウィンドウを備えゼロから再構築されたGemini 3.5 Proのリリースを予定、DeepSeekも同日にV4ファミリーをプレビューから卒業させる計画だ。コンピュートクラスター、モデル、そしてトレーニングデータを供給するコーディングツールを垂直統合するSpaceXAIのアプローチは、フロンティアラボの中では前例がない。
アクセスはSpaceXAIの段階的ロールアウトパターンに従う。7月6日にGrokウェブクライアントで確認されたフィーチャーフラグによれば、まずHeavyサブスクライバー、その後SuperGrok層へと順次開放される。同モデルは、ユーザーにHeavyプランへのアップグレードを促すフローと同じ経路で、SpaceXAIのターミナルコーディングエージェントであるGrok Build CLIにも登場している。
V9アーキテクチャは、初期の事前トレーニング実行後に追加された補完的トレーニング素材として、Cursorの開発者ワークフローデータを組み込んでいる。関係者によれば、xAIのエンジニアはこの補完的組み込みについて「初期トレーニングに含めるほど優れたものではない」と認めているという。現在トレーニング中の次期モデルは、事前トレーニングの最初からCursorデータを組み込むよう設計されており、同社はこれによりより強力なコーディング性能が期待できるとしている。
競合に対する主張は検証のギャップに直面
Opus級という主張が重みを持つのは、それが公開ベンチマークではなくSpaceXおよびTeslaでの内部評価に基づいているためである。SWE-bench、Humanity's Last Exam、LMArenaといった独立したスコアはGrok 4.5については一切公開されていない。AI業界では、自己報告によるベンチマークスコアと独立した測定結果の間に20パーセントポイント以上の乖離が生じた事例が報告されており、外部検証が極めて重要となっている。
参考までに、AnthropicのClaude Opus 4.7 — Artificial Analysis Intelligence Indexの現リーダー — はAPI経由で出力トークン100万あたり約25ドル、OpenAIのGPT-5.5は約30ドルである。SpaceXAIはGrok 4.5の価格を開示していないが、マスク氏の低コスト主張は、SpaceXのコンピュートインフラを活用して提供コストを削減し、両社を下回る価格設定を示唆するものだ。
今回のリリースは、2月に発表されたSpaceXとxAIの合併により得られたコンピュート能力と資本が、パラメータ数だけでなく推論とコーディングの面でAnthropicやOpenAIとの差を縮めるシステムに結実するかどうかを試す試金石となる。CursorのコーディングツールやTeslaの実世界データとモデル開発を垂直統合できるSpaceXAIの能力は、純粋なAIラボにはない優位性を生み出す。しかし、独立したベンチマークなしには性能主張は未検証のままであり、市場はAI関連銘柄の再評価を行う前に、第三者の検証結果を待つ必要があるだろう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。