主なポイント:
- ソフトバンク、OpenAIモデルを基盤とするAIサイバーセキュリティ製品を発表、国内上位3,000社をターゲットに
- 孫正義CEO、日本におけるAIを活用した攻撃への脆弱性を「危機」と指摘
- 本サービスは、合弁会社SB OAI Japan初の大型製品として位置づけられる
主なポイント:

ソフトバンクの新たなAI駆動型セキュリティサービスは、日本国内の上位3,000社をターゲットとし、OpenAIとの合弁事業から生まれた初の大型製品となる。
ソフトバンクグループは26日、OpenAIのモデルをベースとしたサイバーセキュリティ製品を発表した。重要インフラを支える日本最大手企業を対象とし、孫正義CEOはAIを活用した攻撃に対して日本が直面する「危機」について言及した。
「日本におけるサイバー攻撃への脆弱性は危機的状況にある。敵はライフルではなく、今や機関銃を手にしているのだ」と孫氏は東京での記者会見で述べた。本サービスは、昨年設立された50対50の合弁事業SB OAI Japanを通じて提供され、まず企業のシステムの脆弱性を診断し、その後AIが駆動するパッチを展開してセキュリティギャップを解消するという。
本製品は、空港、電力網、交通ネットワークなどの重要インフラを運営する国内上位3,000社を対象とする。ソフトバンクは、26日の発表イベントの参加者全員に無料のセキュリティ診断を提供した。OpenAIの最高研究責任者であるマーク・チェン氏が、CEOのサム・アルトマン氏に代わって出席した。アルトマン氏はビデオメッセージの中で、娘が予定より早く誕生したため渡日できなかったと述べた。
今回の発表は、AIを活用したサイバー攻撃が量的にも巧妙さの面でも指数関数的に増加し、防御ツールにも同様にAIネイティブな対応が求められる中で行われた。6月初旬にトヨタを抜いて日本の時価総額首位となったソフトバンクは、計画中の1,000億ドル規模のStargate AIデータセンター合弁事業や、エヌビディアのGB200 NVL72サーバーへの75億ドル投資を通じて、OpenAIとの連携を強化している。今回のサイバーセキュリティ製品は、SB OAI Japanの提携による初の具体的なエンタープライズ向け製品であり、パロアルトネットワークスやクラウドストライクといった従来型セキュリティベンダーが生成AIを自社プラットフォームに組み込む競争を加速させる市場において、ソフトバンクに足がかりをもたらす。
ソフトバンクにとって、本製品は中核となる通信事業や投資事業を超えた新たな収益源を切り開くものとなる。同社の株価は、イラン・米国和平合意を受けて一取引日で10%急騰しており、AI戦略に対する投資家の信頼を反映している。しかし、サイバーセキュリティ市場は混戦状態にある。クラウドストライクのFalconプラットフォームやマイクロソフトのSecurity CopilotはいずれもAIネイティブな脅威検出を提供しており、パロアルトネットワークスも大規模言語モデルをCortex XSIAMプラットフォームに統合している。ソフトバンクの強みは、合弁事業を通じたOpenAI最新モデルへの独占的アクセスと、信頼と規制順守が重視される日本企業との深い関係にある。
投資家にとっての課題は、ソフトバンクがOpenAIとの提携をサイバーセキュリティ分野での持続可能な競争優位性に転換できるかどうかである。同社は新サービスの価格設定や収益目標を開示していない。成功すれば、本製品は世界のサイバーセキュリティベンダーに対し、自社のAI統合を加速させるか、世界第4位の経済大国である日本市場でのシェア低下リスクを迫ることになる。ソフトバンクの株価は国内同業他社に対してプレミアムで取引されており、市場が同社のAI投資が最終的に実を結ぶとの見方を反映している。この思惑は今、日本の企業が最も機密性の高いシステムをAIモデルに委ねるかどうかにも部分的に依存している。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。