主なポイント:
- People Inc.は、未保有のMGM株式73.9%に対し、1株当たり48.30ドルの現金を提案する計画
- 180億ドルの本取引は、先週末の終値に対して10.6%のプレミアムを提示
- バリー・ディラーのデジタルメディア企業がラスベガスに史上最大の賭け
主なポイント:

バリー・ディラー率いるPeople Inc.は、MGMリゾーツ・インターナショナルに対し、1株当たり48.30ドルの全額現金買収提案を準備している。この取引により、カジノ大手の評価額は180億ドル超となる見込みで、ニューヨーク・タイムズが月曜日に報じた。
「提案はまだ最終調整中であり、遅延または撤回される可能性がある」と、タイムズ紙のDealBookは関係者の話として伝えた。ディラーと元IAC CEOのジョーイ・レビンは、両名ともMGMの取締役会に名を連ねている。
People Inc.は、現在保有していないMGM株式の73.9%を取得する計画だ。1株当たり48.30ドルの入札価格は、先週末のMGM終値に対し約10.6%のプレミアム、過去90日間の出来高加重平均価格に対して約30%のプレミアムに相当する。ロイターのデータによると、MGM株は時間外取引で10%以上急騰した。
本件は、ディラーが今年初めに旧IACからPeople Inc.へと社名変更した後、最も積極的な戦略転換となる。買収が成功すれば、デジタルメディアコングロマリットは、MGMグランド、ベラッジオ、マンダレイベイなどの施設を擁するラスベガスストリップ最大級のカジノ・リゾート運営会社を傘下に収めることになる。
ディラーが支配するメディア・テクノロジー持株会社であるPeople Inc.は、過去の投資を通じてMGMの約26%の株式をすでに保有している。同社はディラーの指揮の下でポートフォリオの再編を進めており、今回の入札はこれまでで最大の単一取引となる。全額現金での買収提案は、連邦準備制度理事会(FRB)が2023年7月以来、政策金利を5.25%〜5.5%に据え置く中、金利上昇環境下でも資金調達が確実に行えるとの自信を示している。
今回の提案は、カジノ業界が混合的な見通しに直面する中で行われた。ラスベガスストリップの収益は、コンベンションやエンターテインメント需要の強さに支えられており、2024年2月のスーパーボウルやF1ラスベガスグランプリなど大規模イベントも開催された。一方、地域のゲーミング市場には軟化の兆しが見られ、MGMのマカオ事業は世界最大のギャンブル拠点において不均衡な回復に直面しており、総粗収入はパンデミック前の水準を依然として下回っている。
本取引には規制当局の承認が必要となる。ネバダ州、ニュージャージー州などMGMが事業を展開する各州のゲーミング規制当局の許可に加え、連邦独占禁止当局による審査も受ける見通しだ。ゲーミング業界の合併は歴史的に、州規制当局から適合性や財務安定性の観点から厳しい監視を受けてきた。
今回の入札は、メディア、エンターテインメント、ホスピタリティの融合に対する大きな賭けであることを示している。People Inc.は、Dotdash Meredith、Angi Inc.、Care.comなどのデジタルブランドを保有しており、本買収により物理的なエンターテインメント資産を直接所有することになる。シーザーズ・エンターテインメントやウィン・リゾーツなどの競合カジノ運営会社は、本取引が成功した場合、戦略的代替案の検討を迫られる可能性がある。
MGMおよびPeople Inc.の両社は、コメント要請に即座に応じなかった。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。