主なポイント:
- 日経平均は39,770近辺で推移、2026年の高値から約7%下回る水準
- AI株が先週の売り一巡後に反発、キオクシア株が上昇
- 米国によるイラン攻撃で原油急騰、日本国債利回りも上昇
主なポイント:

日本の日経平均株価は7日(水)、39,770近辺で安定した。人工知能(AI)関連株が急落から反発する一方、長期金利の上昇が上値を抑える展開となった。
日経平均は午後取引で39,770で推移し、年初来高値を約7%下回る水準。AI関連株が前週の急落から一部持ち直した。東証株価指数(TOPIX)は0.24%下落し、日本株市場全体に慎重なムードが広がった。
「AI銘柄の反発が日経平均の下値を支えているが、金利上昇が上値を抑えている。投資家はテクノロジー銘柄への資金回帰と、金利上昇による圧力の間で岐路に立たされている」と、エッジンの株式市場アナリスト、サラ・リン氏は指摘する。
半導体関連株ではキオクシアホールディングスが上昇をけん引。同社の最近の新規株式公開(IPO)で強い需要を集めたことが材料視された。この動きが他のセクターの弱さを一部相殺したが、日本の10年国債利回りが上昇したことで、長期のキャッシュフローに依存するグロース株には圧力がかかった。
アジア市場はまちまちの展開。韓国のKOSPIは2.19%下落、小型株中心のコスダックは約4%急落した。一方、香港ハンセン指数は2.38%上昇、中国本土のCSI300種指数は0.61%上昇。AI関連株へのエクスポージャーや原油価格への感応度の違いが地域ごとの明暗を分けた。
原油急騰が不確実性を増幅
ブレント原油先物(9月限)は1.9%上昇し1バレル=75.53ドル、WTI先物(8月限)は2.1%上昇し71.87ドル。米国がホルムズ海峡での商船攻撃への報復としてイランへの攻撃を開始したことが背景。米財務省はイランへの原油販売を許可していたライセンスを取り消し、供給引き締まり観測が強まった。
原油高は輸入依存度の高いアジア経済に重しとなる一方、エネルギー株を押し上げた。原油のほぼ全量を輸入する日本にとってはさらなるコスト圧力となり、消費者物価を通じて日本銀行の政策判断にも影響を与える可能性がある。
前日の米国市場では、ダウ工業株30種平均が一時過去最高値を更新した後、100ドル超下落。S&P500種株指数は0.5%、ナスダック総合株価指数は1.2%低下し、半導体株が下落をけん引した。原油高と地政学的な不確実性を受け、AI関連株から資金が流出した。
FOMC議事要旨に関心集中
投資家の関心は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の6月会合議事要旨(日本時間8日未明公表)に移っている。同要旨では、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長にとって初めての政策会合の詳細が明らかになる見通し。同会合では金利が据え置かれたが、インフレが持続する場合には追加利上げが必要になる可能性が示唆されていた。
「ウォーシュ議長が前回の記者会見で極めて不明瞭だっただけに、FOMC議事要旨はサプライズ要因となる。通常、パウエル前議長は会合での議論をかなり詳細に説明していたが、ウォーシュ氏はそうではなかった。タカ派的な内容となる可能性が高く、サプライズを含んでいるかもしれない」と、バイタル・ノレッジの創業者アダム・クリサフリ氏は指摘する。
日経平均にとって、国内金利の上昇、原油高、そしてハト派期待を裏切る可能性のあるFOMC議事要旨は厳しい逆風となる。39,700を上回って推移できるかどうかは、AIモメンタムが反発を持続できるか、そして日銀のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)スタンスが追加利上げに対する緩衝材となるかにかかっている。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言を構成するものではありません。