マイクロンが好決算で16%急騰する一方、エヌビディア株は逆行安——AIインフラ投資家が半導体メーカー間の選別を強め、支出ブームの恩恵を受ける銘柄を精査し始めている兆候を示した。
マイクロンが好決算で16%急騰する一方、エヌビディア株は逆行安——AIインフラ投資家が半導体メーカー間の選別を強め、支出ブームの恩恵を受ける銘柄を精査し始めている兆候を示した。

マイクロンが好決算で16%急騰する一方、エヌビディア株は逆行安——AIインフラ投資家が半導体メーカー間の選別を強め、支出ブームの恩恵を受ける銘柄を精査し始めている兆候を示した。
マイクロン・テクノロジーは、四半期売上高415億ドルを報告し、市場予想を約60億ドル上回ったことから16%急騰。一方エヌビディアは、自社も過去最高の決算を発表したものの株価は下落した。
「供給が需要に追いつく見通しは全く立っていない」とマイクロンのサンジェイ・メロトラCEOは述べ、AI向けメモリの不足は2027年以降も続くとの見方を示した。
マイクロンの第3四半期(2024年5月〜2024年7月)の1株当たり利益は25.11ドルとなり、コンセンサス予想の20.49ドルを上回った。売上高は415億ドルで、平均予想の357億ドルを超過。第4四半期の売上高見通しは約500億ドルと、アナリスト予想の432億ドルを大幅に上回った。サンディスクとSKハイニックスも連れ高となり、それぞれ約13%上昇した。
市場の異なる反応は、投資家がAIインフラの受益銘柄を選別し始めていることを示唆する。メモリメーカーは、AIモデルのトレーニングに膨大な高帯域メモリが必要となる需要の急増を直接取り込んでいる。一方エヌビディアは、主要クラウドプロバイダーによる自社設計チップの加速や、決算のたびにハードルが上がる市場の期待に直面している。
メモリ需要、2027年以降も加速
高帯域メモリ(HBM)はAIインフラの要となり、大規模言語モデルのトレーニングと推論に不可欠となっている。マイクロンのガイダンスは、今四半期の売上高が前期比約20%の連続成長となることを示唆する。メロトラCEOは長期的な成長ドライバーとしてロボティクスを挙げ、人型ロボットには先進運転支援システム向けの約10倍のメモリが必要となり、今10年後半から数十年にわたる持続的な需要サイクルを牽引する可能性があると指摘した。
メモリ不足はHBMサプライチェーン全体に及んでいる。高帯域メモリ市場で首位に立つSKハイニックスは、約300億ドルの評価となる米国上場を検討していると報じられている。供給逼迫により、メモリメーカーは歴史的に過剰供給が利益率を圧迫してきた業界で異例の価格決定力を手にしている。
エヌビディアのBlackwell立ち上げと高まる期待
エヌビディアのデータセンタービジネスは3桁成長を続けており、次世代BlackwellアーキテクチャはTSMCの4nmプロセスノードで量産段階に入っている。しかし、アマゾン・ドット・コムやアルファベットなどのハイパースケーラーは自社設計チップのプログラムを加速しており、長期的にはエヌビディアの価格決定力を侵蚀する可能性がある。
同社のプレミアム評価額は、サプライズ余地を限られたものにしている。決算のたびにハードルは上がり、業績が強くとも利益確定売りに晒されやすい構造にある。マイクロンの急騰との乖離は、市場がインクリメンタルな需要を取り込むAI銘柄と、競争激化でマージン圧縮に直面する銘柄を区別し始めていることを示す。
投資視点: マイクロンの株価は予想PER約16倍と、エヌビディアの倍率に比べ割安だ。これはメモリ業界の歴史的な周期性を反映している。メロトラCEOの「供給が追いつく見通しが立たない」とのコメントが示す通り、AI主導のメモリ需要が構造的に高いものとなれば、そのディスカウントは縮小する可能性がある。エヌビディアにとってのリスクは、決算の好内容が織り込まれるスピードが速まり、減速の兆候に対する脆弱性が増すことだ。モルガン・スタンレーのジョセフ・ムーア氏はエヌビディアにオーバーウェイトの評価を維持し、カスタムチップによる競争圧力は「収益に影響を与えるまで数年先」としている。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。