(P1) バンク・オブ・アメリカの最新レポートによると、AI主導の設備投資と30年ぶりの低バリュエーションという要因が重なり、説得力のある投資ケースが生まれていることから、素材セクターは長期的な上昇トレンドに入る構えです。現在、同セクターはS&P 500の総時価総額のわずか2%を占めるに過ぎません。
(P2) BofAセキュリティーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は顧客向けメモの中で、「資源を巡る世界的な地政学的競争、AI設備投資ブーム、急増する防衛支出、そして米国の住宅不足が相まって、素材セクターを長期的な上昇の転換点へと押し上げている」と述べています。
(P3) この見解は、いくつかの大規模な経済トレンドに支えられています。レポートは、AIインフラへの設備投資が7500億ドルに達し、さらに上昇し続けている一方で、世界的な防衛支出は3兆ドルに迫っていると指摘しています。米国では、400万戸以上の住宅不足が建設需要を牽引すると予想されています。
(P4) ハートネット氏は、AIや半導体株のような「熱狂資産(fever assets)」と、割安な景気敏感株のような「屈辱資産(humiliated assets)」を組み合わせる「バブル・バーベル」戦略を推奨しています。この枠組みの中で、素材セクターは現在の半導体ブームに対する最適なカウンターウェイトとして提示されており、鉄鋼ETF(SLX)などのテクニカル指標は、2008年の金融危機前の高値を試す動きを見せています。
「バブル・スタグフレーション」市場におけるバーベル戦略
ハートネット氏の「バブル・バーベル」戦略は、同氏が「バブル・スタグフレーション」と呼ぶ環境向けに設計されています。同氏は、株式と金の両方が4年連続で2桁の年間上昇を記録するという、稀な同時発生に注目しています。歴史的に見て、この組み合わせは戦争、平和、バブル、そしてスタグフレーションの時期にしか現れておらず、深刻な構造的リスクの蓄積を示唆しています。
この戦略は、高成長・高リスク資産と、大幅に割安な景気敏感資産を同時に保有することを含みます。これにより、投資家は現在のAI主導の市場の上昇に参加しつつ、人気がなく十分なバリュエーションのクッションを持つ資産で潜在的な下落に対してヘッジすることが可能になります。
AI設備投資と産業需要
AIブームは、間接的ではあるものの、素材セクターにとって重要な原動力です。ハイパースケール・データセンターの建設が加速するにつれ、配線用の銅からコンクリート用の骨材に至るまで、原材料の需要が増加すると予想されます。バンク・オブ・アメリカは、キャタピラー(CAT)などの企業を受益者として挙げており、この機械大手が産業活動の活発化から利益を得る「スイートスポット」にいると指摘しています。
AI関連の上位10銘柄がS&P 500の時価総額の40%という、過去のバブルのピークに近い集中度を見せている一方で、基盤となるインフラへの投資はまだ始まったばかりです。これが、素材セクターが供給する現物資産や原材料に対する実体的な需要の下支えとなります。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。