主なポイント
- クローガーがジャイアントイーグルを買収、年間売上高約90億ドル相当の取引に
- 今回の買収により、5州にわたる197のスーパーマーケットと11の独立型薬局が加わる
- 同契約は独占禁止法の審査対象となり、食品小売業界の統合に規制当局の注目が集まる
主なポイント

クローガー(Kroger Co.)はジャイアントイーグル(Giant Eagle Inc.)の買収に合意した。年間売上高約90億ドルと200店舗以上を追加し、米国最大手のスーパーマーケット事業者が中西部と大西洋岸中部での事業を強化する。
水曜日に発表された本取引により、オハイオ州北部、ペンシルベニア州西部、ウェストバージニア州、メリーランド州、インディアナ州に展開する197のスーパーマーケットと11の独立型薬局が、クローガーの約2,800店舗のポートフォリオに加わる。クローガーの取締役会は全会一致で本契約を承認したと両社は声明で発表した。
「本買収は、強い顧客ロイヤルティと成長の可能性を確認している主要地域での当社のプレゼンスを強化するものだ」とクローガーの最高経営責任者グレッグ・フォラン氏は声明で述べた。「ジャイアントイーグルの家族経営の伝統と品質へのこだわりは、当社の価値観と強く合致する」
買収価格と支払い条件は開示されていない。ジャイアントイーグルは非公開企業であり、対価が現金、株式、またはその組み合わせになるかは明らかにされていない。本取引は連邦取引委員会(FTC)および各州の独占禁止当局の承認を条件として、2027年下半期に完了する見込みだ。
加速する食品小売業界の統合
今回の買収は、米国食品小売業界が統合の波にさらされる中で発表された。クローガー自身も不採算店舗の整理を進めており、2025年6月には18カ月間で60店舗を閉鎖すると発表している。同時に、ウォルマート(Walmart Inc.)、コストコ・ホールセール(Costco Wholesale Corp.)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com Inc.)傘下のホールフーズに対抗するため規模の拡大を模索している。
フォランCEOはクローガーの第1四半期決算説明会で、営業コストの圧力について「当社の営業コストは売上高を上回るペースで増加している。これは持続可能な状況ではない」と述べていた。
1931年に創業されたジャイアントイーグルも、事業規模を縮小している。同チェーンは今年初めにペンシルベニア州ノースバーサイユとオハイオ州コロンバスの店舗を閉鎖し、今夏にはオハイオ州ランカスターの店舗を閉鎖する予定だ。同社は5州にわたり200以上の食品・薬局の小売拠点を運営している。
本取引により、クローガーはジャイアントイーグルの薬局事業にアクセスできるようになる。スーパーマーケットチェーンがヘルスケアサービスを拡大する中、薬局は成長する利益率の原動力となっている。クローガーはすでに約2,200の薬局と224のクリニックを運営している。
独占禁止法リスクが浮上
両社の統合により、オハイオ州北部やペンシルベニア州西部など、両チェーンが事業を展開する重複市場において食品小売の市場シェアが集中することになる。バイデン政権下のFTCは食品小売業界の合併に対し強硬な姿勢を取っており、2024年にはクローガーによるアルバートソンズ(Albertsons Cos.)の246億ドル買収提案に対し異議を申し立てた後、同計画は断念された。
「地域の食品市場における競争を低下させるいかなる取引も、厳しい審査に直面するだろう」と、ワシントンを拠点とする独占禁止法推進団体、アメリカ経済自由プロジェクトのエグゼクティブ・ディレクター、サラ・ミラー氏は述べた。「FTCはスーパーマーケットの統合が消費者の価格上昇を招くことを明確にしている」
クローガーとジャイアントイーグルは、規制当局と協力してあらゆる懸念事項に対処する方針だと述べた。両社は、統合後の事業体は依然としてウォルマートに及ばないと指摘している。IBISWorldのデータによると、ウォルマートは米国食品市場の約22%を掌握している。
本取引はFTCならびにオハイオ州とペンシルベニア州の規制当局の承認が必要となる。両社は直ちに規制審査プロセスを開始するとしている。
※本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。