主なポイント:
- スポット金価格は、100の大台に迫る米ドル指数の上昇と米債利回りの上昇という二重の逆風に直面しています。
- インフレの持続により、市場の予想は1月までのFRB利上げ確率40%超へとシフトし、利回りを押し上げています。
- トレーダーは4,481.78ドルの主要なテクニカル水準を注視しており、これを下回る水準が定着すれば、強気相場から弱気相場への転換シグナルとなる可能性があります。
主なポイント:

COMEXの金先物価格は火曜日、1オンスあたり4,480ドルに向けて下落し、5営業日続落となりました。米ドル高と米債利回りの急騰が、利息を産まない資産である金にとって大きな逆風となっています。
米10年債利回りが2025年2月以来の高水準となる4.631%まで上昇し、30年債利回りが5.159%に達したことで、金への下押し圧力が強まりました。リスクフリーの国債が高い利回りを提供する場合、金のように利息を支払わない資産に対する投資家の需要は通常減退します。
利回りの動きを背景に、ドル指数(DXY)は数カ月ぶりの安値から反発し、心理的な節目である100の大台付近まで値を戻しました。この動きは、3回連続でインフレ指標が予想を上回ったことを受けたもので、トレーダーはFRBの金利経路の再考を余儀なくされています。市場は現在、1月までの利上げ確率を40%超と織り込んでおり、年初の利下げ期待からは一転しています。
金のテクニカル面では、史上最高値から20%の調整にあたり、トレーディングアルゴリズムが注視する重要な価格水準である4,481.78ドルに注目が集まっています。50日移動平均線(4,705.25ドル)と200日移動平均線(4,353.69ドル)の潜在的なデッドクロスが、トレーダーが注目する次の主要なテクニカルシグナルです。
金価格の下落は、通常であれば安全資産としての買いを誘発する地政学的緊張が続く中で起きています。スポット・ブレント原油が110ドル近辺で推移するなどエネルギーコストの高騰が、予想を上回るインフレの主な要因となり、利回りを押し上げています。これにより、金の伝統的な安全資産としての役割が、金利上昇によるマイナスの影響によって打ち消されるというダイナミクスが生まれています。
月曜日、現物金は一時的に重要なサポートラインである4,481.78ドルを割り込み、4,480.41ドルの安値を付けた後に反発しました。このテクニカル的なテストと回復は、一部の買い手が依然としてこの水準を維持しようとしていることを示唆しています。しかし、直近の安値である4,501.04ドルを割り込んだことで、下落トレンドが再確認されました。価格動向は、市場が金を完全に放棄したわけではなく、「より高い金利がより長く続く(higher-for-longer)」環境に合わせて価格を再調整している最中であることを示唆しています。直近の重要なラリーは3月23日の安値4,099.12ドルから始まり、4月17日に4,891.54ドルでピークを迎えました。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。