主なポイント:
- GMは現在、自律走行チームのコードの90%をAIが生成していると発表
- システムは毎日100年分の走行に相当するシミュレーションでストレステストを実施
- GM株は4四半期連続でEPS予想を上回り、フォワードPERは7倍
主なポイント:

GMは現在、自動運転車のコードの90%をAIで生成し、毎日100年分の人間の運転に相当するシミュレーションでシステムをストレステストしている。
ゼネラル・モーターズ(GM)は、現在同社の自律走行チームが作成するコードの90%を人工知能が生成していると発表した。この変革により、開発コストの削減と、車両ラインアップ全体へのハンズフリー運転技術の投入時期の前倒しが期待できる。
「現在、当社の自律走行チームが作成するコードの約90%はAIによって生成されています」と、メアリー・バラCEOは第1四半期(2026年)の決算説明会で述べ、「全社的にAIをいかに真剣に採用しているかの証拠」だと強調した。
AIによって生成されたコードは、2028年にキャデラック・エスカレードIQに搭載予定の次世代型アイズオフ・ハンズフリーシステム「スーパークルーズ」を支える。バラ氏によれば、GMはこのソフトウェアを、毎日約100年分の人間の運転をシミュレートするデジタル環境で検証しており、カリフォルニア州とミシガン州では監視付きの実路テストもすでに開始している。現行のスーパークルーズシステムは累計10億マイルのハンズフリー走行を記録し、年末までに85万人超の加入者を見込んでおり、更新率は30%から40%の間で推移している。
2028年のエスカレードIQ投入は、GMのAI優先アプローチの成否を問う決定的なイベントとなる。機械生成の安全コードに一度でも重大な失敗があれば、大きなレピュテーションリスクを伴うが、成功すれば、レベル3自律走行の大規模展開を目指す競争において、テスラやウェイモに対するコストとスピードの優位性を獲得できる可能性がある。
AIへの賭けを支える財務エンジン
GMには、積極的なAIツール投資を賄うに足るキャッシュフローがある。第1四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は3.70ドルと、コンセンサス予想の2.64ドルを40%上回り、ウォール街のEPS予想を4四半期連続で上回った。調整後EBITは42億5000万ドルで前年同期比22%増、利益率は2ポイント拡大して10%となった。経営陣は通期の調整後EPSガイダンスを11.50ドルから13.50ドルのレンジに引き上げた。
デジタルサービスも自律走行への取り組みを支えるもう一つの収益源となっている。オンスターの収益は第1四半期に7億5000万ドル超と前年同期比20%超の増加を記録し、暦年ベースの収益は31億ドル、繰延収益は75億ドルに達する見込みだ。ポール・ジェイコブソンCFOは、無料トライアル後のスーパークルーズの定着率は約40%であり、「コンバージョンの計算式には非常に楽観的」と述べている。
規制当局の監視と競争リスク
バラ氏の発表は、規制当局が競合他社の自律走行アプローチを精査している時期に行われた。米国の2人の上院議員は、全米高速道路交通安全局(NHTSA)に対し、テスラが自社発表した完全自動運転(FSD)の衝突事故統計を精査するよう求めており、欧州の規制当局はテスラがFSDの安全性に関する誤解を招くデータを公表したと非難している。テキサス州におけるテスラのロボタクシー車両は69台であり、ウェイモの620台と比較される。
GMは、AIが作成しシミュレーションで検証した自社のアプローチを、テスラのより厳格さを欠く手法とは対照的な「規律ある選択肢」として売り込んでいる。しかし、この戦略には独自のリスクも存在する。90%という数字は、あくまでGMの自律走行チームの投入前コードに適用されるものであり、顧客車両のプロダクションソフトウェアには該当しない。また、GMは同じAI主導の開発パイプラインを、レベル3自律走行に必要な演算能力を備えて設計されていない内燃機関車両にどのように拡張する計画かについては明らかにしていない。
市場はこれまでのところ、この戦略を評価している。GM株は過去1年で66%上昇し、80.04ドルで取引されている。アナリストのコンセンサス目標株価は94.81ドル、フォワード株価収益率(PER)は7倍。シティは第1四半期決算を受けて目標株価を108ドルに引き上げた。
投資家にとっての問いは、GMのAIファーストの自律走行戦略が、投下された数十億ドルに見合うリターンを生み出せるかどうかである。同社の株価は、テスラのフォワードPER約60倍に対して大幅なディスカウントで取引されており、これはGMの技術ビジョンを実行する能力に対する市場の懐疑的な見方を反映している。2028年のエスカレードIQ投入により、AIが作成したコードの安全性と信頼性が証明されれば、その評価ギャップは縮小する可能性がある。もし失敗すれば、レピュテーションの損害によりGMの自律走行プログラムは数年後退するだろう。
本文書は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。