主なポイント:
- ブロードコム株は6月4日に12.6%急落、時価総額約2800億ドルが消失
- バンク・オブ・アメリカは目標株価を450ドルから530ドルに引き上げ、26.5%の上昇余地を示唆
- シティは買い推奨と500ドルの目標株価を維持、調整局面を買い場と評価
主なポイント:

ブロードコム・インクの株価は6月4日、同社のAI関連収益見通しが投資家を失望させたことを受け12.6%急落し、この日の取引で時価総額約2800億ドルが吹き飛んだ。
この売り浴びは、ブロードコムが第2四半期の利益予想を上回ったにもかかわらず発生した。同社は調整後1株当たり利益2.44ドル、売上高221億9000万ドルを報告。アナリスト予想の2.40ドル、222億7000万ドルと比較してそれぞれ上回った。売上高は前年同期比48%増、純利益は88%増の93億1000万ドルとなった。
「株価の調整は絶好の買い機会を提供している」とシティのアナリストはリポートに記し、買い推奨と500ドルの目標株価を維持した。
バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ヴィヴェク・アリヤ氏も買い推奨を再表明し、目標株価を450ドルから530ドルに引き上げた。これは6月4日の終値418.91ドルから約26.5%の上昇余地を示す。アリヤ氏は2026年度、2027年度、2028年度の利益予想をそれぞれ1株当たり10.94ドル、17.05ドル、23.21ドルから11.60ドル、17.93ドル、23.56ドルに引き上げた。
決算後の下落は、メガキャップ・テクノロジー株としては過去最大級の時価総額減少の一つとなり、近年の記録ではエヌビディア、マイクロソフト、アップルに次ぐ規模だとヤフーファイナンスのデータは示している。
ブロードコムのAI半導体売上高は第2四半期に2倍以上の108億ドルに拡大し、同社は現在の期間に約160億ドルを見込んでいる。最高経営責任者(CEO)のホック・タン氏はAIインフラへの需要を「飽くなきもの」と表現し、四半期の受注高は300億ドル超と、出荷されたAI製品の約3倍に達した。
それでも投資家は、同社が2027年度までにAI収益1000億ドル超という長期見通しを引き上げるのではなく、再表明するにとどめた点に注目した。ブロードコムはまた、今四半期の粗利益率が約77%から約74%に低下する見通しを示した。これは、低利益率のカスタムAIチップの構成比が高まっていることを反映している。
シティは、粗利益率の低下見通しは安定した営業利益率によって相殺されており、投資家は最大顧客であるグーグルからの需要に注目すべきだと指摘。グーグルは売上高の推定35〜40%を占めている。
ブロードコム株は年初来で約21%上昇しており、S&P500種株価指数の約11%の上昇を上回っている。同株は2022年末以来約7倍に急騰しており、AIインフラへの支出が加速していることを背景としている。
今回の売り浴びにより、ブロードコムのバリュエーションはアナリストが長期投資家にとって魅力的と指摘する水準にある。BofAのアリヤ氏は、同社が暦年の2030年までに1株当たり利益30ドル以上を達成できると予測しており、これは2025年水準から年間約40%の成長率に相当する。投資家は同社の第3四半期決算で、利益率の安定化とAI受注のさらなる勢いの兆候を注視することになる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。