AIコンピュートブームの加速に伴い、ビットコインマイナーはAIインフラへの事業転換を進めており、TeraWulfによるAnthropicとの190億ドル契約がセクター全体の株価上昇を牽引している。
AIコンピュートブームの加速に伴い、ビットコインマイナーはAIインフラへの事業転換を進めており、TeraWulfによるAnthropicとの190億ドル契約がセクター全体の株価上昇を牽引している。

TeraWulfの株価は約14%急騰し24.05ドルとなった。同ビットコインマイナーがAnthropicと、ケンタッキー州ホーズビルに401メガワットのAIデータセンターキャンパスを建設する20年リース契約を締結したためだ。この契約は約190億ドルの収益を生み出すと見込まれている。この発表により、プルーフ・オブ・ワークからAIコンピュートへの構造シフトを投資家が織り込み始め、複数のマイニング関連株が上昇した。
「本リースはTeraWulfのビジネスモデルを変革する画期的なパートナーシップである」とTeraWulfの会長兼最高経営責任者(CEO)のPaul Prager氏は述べた。「今回の発表は最終的な書類手続きと慣行上の取引プロセスが完了したことを受けたものであり、Anthropicとの提携を発表できることを誇りに思う。」
Justified Dataキャンパスの第1フェーズは2027年下半期に稼働開始予定で、401MWの完全容量は2028年初頭までに実現する見通し。TeraWulfはまた、テキサス州のAbernathyジョイントベンチャーにおける50.1%の株式を、パートナーであるFluidstackが率いるグループに売却することで合意。約4億5000万ドルの投資をプレミアム価格で現金化した。IRENの株価は13%以上上昇、Hut 8は12%高、Cipher Digitalは11%上昇した。Bitfarmsから社名変更しビットコインマイニングから完全撤退してAIに特化したKeel Infrastructureは10%高となった。
この幅広いトレンドは、マイニングセクターにおける構造変化を反映している。上場ビットコインマイナー各社は総じて大規模なエネルギーインフラとデータセンター容量を保有しており、AI企業が大規模言語モデルのトレーニングに向けた長期電力契約の獲得に殺到するなか、こうした資産の希少性は高まっている。チャットボット「Claude」を手がけるAI企業Anthropicは、モデルを拡大する過程でデータセンター容量を巡って競合する主要企業の1社である。American Bitcoin Corp.は、最新の財務状況アップデートによりビットコイン準備高が8,000 BTCを超えたと発表。一部のマイナーはAIに多角化しつつも暗号資産へのエクスポージャーを維持している実態が浮き彫りとなった。
投資家にとって、この事業転換はデュアルレベニューモデル(二重収益モデル)をもたらし、これまでビットコインマイナーに付きまとっていた売り圧力を低減させる可能性がある。電力インフラをAIコンピュートに転用するマイニング企業は、ビットコインの価格やブロック報酬のみに依存するのではなく、投資適格級のカウンターパーティとの間で定期的かつ契約ベースの収益源を生み出すことができる。TeraWulfによれば、Anthropicとのリース契約は投資適格の信用格付けによる裏付けが見込まれるという。
その代償としてのリスクは、実行面にある。401MWのAI対応データセンター容量の構築には、建設スケジュール、規制当局の承認、そしてビットコインマイニング事業とは異なる技術的専門知識が必要となる。TeraWulfの第1フェーズはまだ1年以上先であり、遅延やコスト超過の余地は残る。それでも市場はこの戦略を評価している。WULFは年初来で2倍以上に上昇し、同社のストーリーはマイニングからAIインフラへと大きくシフトした。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではない。