主なポイント:
- バークシャー・ハサウェイは第1四半期の13F提出書類で、約5,500万ドル相当にのぼるメイシーズ株300万株の新規取得を開示しました。
- この投資は百貨店小売業である同社の約1.1%の株式に相当し、ウォーレン・バフェット氏個人による買い付けであった可能性があります。
- このニュースを受けてメイシーズの株価は3%以上上昇し、同社の不動産ポートフォリオや10倍を切る予想PER(株価収益率)のバリュエーションに注目が集まっています。
主なポイント:

バークシャー・ハサウェイ社(Berkshire Hathaway Inc.)は、最新の13F提出書類でメイシーズ(Macy's Inc.)の株式5,500万ドル相当を新規に取得したことを開示しました。これは数十年ぶりとなる百貨店セクターへの回帰を意味し、同社の株価は3%以上上昇しました。
今回の300万株の購入は、会長のウォーレン・バフェット氏が個人で行った可能性があります。バフェット氏は3月31日、CNBCに対し、最近「小さな買い付け」を1件行ったと語っていました。バークシャー・ハサウェイはこの投資について即座のコメントを控えています。
この持ち株はメイシーズの発行済み株式の約1.1%に相当します。メイシーズは現在、2026年の予想1株当たり利益(約2ドル)の10倍を下回る水準で取引されています。時価総額約50億ドルの同社は、4%の配当を支払っており、昨年は自社株の約5%を買い戻しました。
バークシャーにとっては少額の投資ですが、この動きは同社が保有する割安な不動産資産にスポットライトを当てることになります。これはバフェット氏が以前にも採用した戦略です。この動きは、メイシーズの経営陣に対し、広大な保有不動産の一部を現金化するなどして、さらなる株主価値の向上を求める圧力となる可能性があります。
バークシャーのような投資家にとっての魅力は、低いバリュエーションと、自社で所有する重要な不動産資産の組み合わせにあると考えられます。メイシーズは、マンハッタンのヘラルド・スクエアにある象徴的な旗艦店を含め、665店舗のうち243店舗を所有しています。これは過去にもアクティビスト(物言う株主)を惹きつけており、同社は2024年にも買収提案を拒否したばかりです。
今回の投資は、バフェット氏が2015年にシアーズからスピンオフした不動産会社、セリテージ・グロース・プロパティーズの株式8%を個人で取得した例と類似しています。その投資自体は大きな成果を上げていませんが、価値ある裏付け不動産資産を持つ企業をターゲットにしてきた同氏の経緯を示しています。
百貨店業界を取り巻く環境は厳しいものの、メイシーズには明るい兆しもあります。TDコーウェンのアナリスト、オリバー・チェン氏が同社の「秘密兵器」と呼ぶブルーミングデールズ(Bloomingdale's)チェーンは、昨年の既存店売上高が7%増加しました。また、成長中の化粧品小売業ブルーマーキュリー(BlueMercury)も運営しています。メイシーズは昨年8億ドルのフリーキャッシュフローを創出しており、フリーキャッシュフロー利回りは約15%に達しています。
世界で最も著名なバリュー投資家の一人による投資は、メイシーズの戦略と資産に対する大きな信頼の証となります。投資家は、バークシャーによるさらなる買い増しの有無や、次回の決算説明会で経営陣が不動産への再注目に対してどのような反応を示すかを注視することになるでしょう。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。