重要ポイント:
- AUD/USDは今週の豪CPIと米コアPCEデータを前に0.7011近辺で推移
- RBAは6月に4.35%で据え置き、FRBのハト派転換で金利差は60bpに縮小
- 0.70割れで鉱山株の豪ドル建て収益は押し上げられるが、輸入依存セクターは圧迫される
重要ポイント:

豪ドルは第2四半期最大の試練に直面する。太平洋両岸からのインフレデータが、0.70水準が維持されるか崩されるかを決定づけるからだ。
豪ドルは金曜日、0.7011近辺で推移。トレーダーらは、豪州の月次CPIと米国のコアPCEデフレーターが対決する週を前に構えている。この2つの指標は、オーストラリア準備銀行(RBA)と米連邦準備制度理事会(FRB)の政策ギャップを拡大させるか縮小させるかの分岐点となる。
「市場は2つのまったく異なるインフレ経路を織り込んでいる。どちらのデータが先にサプライズを起こすかで、AUD/USDの短期的な方向性が決まる」と、Edgenのマクロストラテジスト、ジェームズ・オカフォー氏は指摘する。「米国のPCEが強ければ0.70をブレイクする。豪CPIが高止まりすれば、0.70は維持される。」
RBAは6月の会合で、2月、3月、5月と3回連続の利上げを経て、政策金利を4.35%で据え置いた。一方FRBはフェデラルファンド金利の誘導目標を3.50〜3.75%で維持したものの、ドットチャートを変更し年内の利上げの可能性を示唆した。両中央銀行間の金利差は、3月時点の85bpから60bpに縮小。FRBが引き締めを続けRBAが据え置く場合、さらに圧縮される可能性がある。
結果は二者択一だ。豪CPIがコンセンサス予想の3.4%を上回れば、RBAの据え置きは一時的とみなされ、AUDはサポートを維持する。米コアPCEが予想の2.7%を上回れば、ドルが強含み、AUD/USDは4月以来初めて0.70を下回る。次回RBA会合は8月4日、FRBは7月28〜29日である。
水曜日に発表される豪州の月次CPIは、RBAが6月に据え置きを決めて以降の最初の主要データポイントとなる。RBA自身の見通しでは、インフレは2027年後半までに2〜3%の目標レンジに回帰する見込みだが、中東情勢に関連した燃料・商品コストが価格圧力を高止まりさせている。5月の求人倍率は改善したものの、消費者信頼感はなお低迷。ミシェル・ブロック総裁に、ピークを示唆せずに据え置きを続ける余地を与える、まちまちのシグナルとなっている。
木曜日には、FRBが最も重視するインフレ指標である米コアPCEデフレーターが、第1四半期GDPの確報値とともに発表される。CMEフェドウォッチによれば、市場は12月までの利上げ確率を42%と織り込んでおり、5月の18%から上昇した。ゴールドマン・サックスは次回の利下げ予想を2027年に先送りし、シティは2026年10月と12月の利下げを予測。スタンダード・チャータードは、FRBは年末まで据え置き、2027年前半に1回の25bp利下げを実施すると見込んでいる。
豪米金利差の縮小は、今四半期におけるAUD/USDの支配的な変動要因となっている。RBAが積極的に利上げを進め、FRBがなお利下げを示唆していた4月には、同通貨ペアは0.72を上回って推移していた。その後、FRBがタカ派に転じ、RBAが引き締めサイクルの終了を示唆したことで、その差は縮まっている。
テクニカル面では、同通貨ペアは20日単純移動平均線(0.7091近辺)を下側から試しており、相対力指数(RSI)は37と中立の50を下回り、弱気モメンタムを示唆している。サポートは0.6963に位置し、これを下回れば200日移動平均線の0.6852への経路が開く。平均方向性指数(ADX)は31近辺と、現在のトレンドが弱まるどころか強まっていることを示している。
金利差が現在の水準まで縮小した前回は2025年10月で、その際AUD/USDはFRBが金利を据え置きRBAが利下げを実施する中、6週間で0.69から0.66へと下落した。同様の動きが再現されれば、米国でインフレが上振れ、オーストラリアで下振れした場合、9月までに0.66が射程に入る。
豪ドルの中国データに対する感応度は、さらなる不確実性を加えている。中国人民銀行(PBoC)は来週、1年物最優遇貸出金利(LPR)を発表する予定で、5月の経済指標がまちまちのシグナルを示したことから、市場は据え置きを予想している。鉱工業生産は前年比6.2%増と予想を上回ったが、個人消費は低調だった。PBoCの利下げは鉄鉱石需要を支え、ひいては豪ドルを下支えする。据え置きとなれば、豪ドルは米国主導のストーリーにさらされることになる。
オーストラリアの投資家にとって、影響は為替に留まらない。0.70を持続的に下回れば、BHPグループやリオ・ティントなどの資源輸出企業の豪ドル建て収益は押し上げられる。これらの企業は米ドルで販売し豪ドルで報告するためだ。逆に、すでに4.35%の国内金利に圧迫されている小売業や消費者依存セクターにとっては、輸入コストの上昇要因となる。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。